No.188 真の勝者

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「私は不動産王になって日本を救います!」

「天から授けられたこの力を世のため人のために使わさせて頂きます!」

「そして必ずや日本に貢献出来る人間となります!」

私のキャッチフレーズは

「不器用だけどひたすら実直に。

 あなたの喜びが私の幸せです。」

 

おはようございます。

記録的な豪雨が九州北部を襲いました。

私の実家に近いエリアが

甚大な被害を受けています。

事態の早期復旧を祈念すると共に

被害に遭われた方に心からお悔やみ申し上げます。

 

 

 

約1年ほど前の話ですが、

ある入居者の方が退去される事になりました。

ご夫婦と犬1匹で13年間もお住まい頂いた方です。

こちらのご主人はちょっと変わってある方で

以前、上階から水漏れがあった時は

夜遅い時間であるにも関わらず

「今すぐ大家が出てこい!」

と呼びつけられた事もありました。

もっとも、この時の対応がきっかけで

その後、ご主人とはかなり親しくなったのですが。

 

さて。

 

退去の立会いに行ってみると、

さすがに13年住んであった事もあり

それなりに部屋は傷んでいました。

長年そこで生活をしていると

畳が擦れたり

壁紙が変色したり

フローリングに傷がついたりします。

これらは『自然損耗』と言って

人が生活する以上

やむを得ないものですから

その補修費は入居者さん負担とはなりません。

大家側が負担するのが原則です。

 

ところが

通常の使い方では起き得ない損傷や

入居者さんの故意・過失による損傷は

『特別損耗』と言って

入居者さんの責任ですから、

これらの補修費は入居者さんに負担して頂くことになります。

例えば

壁に穴を開けた

襖を破いた

子供が壁紙に落書きをした

などがこれに当たります。

 

そして

この『特別損耗』があった場合の

費用負担額で揉めるケースというのが結構あるのです。

 

今回のお部屋には『特別損耗』に該当する箇所が

いくつもありました。

襖が破れていたり

 

壁に穴が開いていたり

 

犬が畳を掘っていたり(笑)

 

他に何点もあったのですが、

13年も住んで頂きましたし

入居時に頂いた敷金は退去時に差し引かれるという

『敷引き』の特約もついていましたので、

私は最低限の『特別損耗』のみを

ご請求させて頂くこととしました。

リフォーム業者に特別損耗箇所の見積りを依頼し、

最後の水道代に鍵交換費用を加算すると

総額で88,000円となりました。

私は請求書を作成し、ご主人様宛に送付したところ

後日、ご主人様からお電話を頂きました。

 

要は

「金額に納得がいかない」旨のお電話です。

 

こういう時、私は自らの言い分はしっかりと先方に伝えます。

見積り額に不正はないこと。

本来なら他にも費用請求出来るところを

最低限の請求に留めていること。

 

それでもこの方は納得がいかないご様子です。

 

そこで私は

「金額を8万円ちょうどにまで譲歩する旨」と 

「数日ご検討して頂きたい旨」を

伝えて電話を切りました。

 

そして

電話を切った瞬間、こう決めたのです。

『次の電話で入居者さんの言う通りにしよう』

 

私は言い分を全て伝えました。

その上で

最終的な判断は先方に委ねることにしたのです。

満額支払ってくれるに越した事はありませんが、

減額請求されたとしても基本的にはそれに従うことにしました。

 

 

何故か?

 

 

 

それは、、、

 

 

『争うと勝っても負けても

 運が落ちるからです。』

 

争うぐらいなら

この方に気持ち良く退去して頂いた方が

次に繋がるからです。

気持ちよく退去された後には

良い方が入ってくれる事を知っているからです。

 

それに

「自分の言っている事が正しいんだ!」

という執着を手放すとストレスにもなりません。

 

 

そのように決めてから約一週間後のこと。

 

先方からお電話があり、

無事に満額お支払い頂けることとなりました。

 

 

このエピソードから改めて思います。

 

 

『自分の言い分は主張しても争わない。

 相手に勝つ者ではなく

 自分に克つ者が真の勝者なのだ。』

 

 私は夢を叶え、日本に貢献出来る人間となりました。

有難うございます!!

 

本日も最後までお読み頂き有難うございました。

心からの感謝を込めて。

「有難う。愛しています。」

神辺照喜

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